娘と一緒に『地政学』

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風呂の中で投げかけられた娘からの質問

先日、私がお風呂に入っていると、小学校四年生の娘が一緒に入ってきました。(一緒にお風呂に入れるのも時間の問題だな…。)とまぁそれはさて置き、いつも娘とお風呂に入ると、壁面に貼ってある世界地図の話題になります。

その時にふと娘が思い浮かぶ質問は、だいたいいつも私を困らせます。鋭いというか何と言うか…私たちが疑問に思わないことや、表面だけ知ったようなつもりになっていて、実は人に説明できる訳ではないような事をズバズバと聞いてきます。

質問1.コンゴ共和国とコンゴ民主共和国の違いは?

やけに“アフリカ”に興味を持つうちの娘。一番好きな国旗は『アンゴラ』🇦🇴だそうです。

そんな娘からの最初の質問。はい。そもそも『コンゴ共和国』と『コンゴ民主共和国』という二つの国があることを知りませんでした(笑)ちなみにコンゴ民主共和国🇨🇩は旧ベルギー領で、1997年までは『ザイール』という国名だったそうで、私的にはそちらの聞き覚えの方がある…気がします。そしてコンゴ共和国🇨🇬はフランスから独立した国だそうです。両国とも内戦が絶えずに荒廃していましたが、最近は落ち着いているという記事を見ました。しかしながら生活環境は非常に悪く、水やトイレの不足は否めないようですね。最近よく耳にする『SDG’s』でいう6番、「安全な水とトイレを世界中に」という課題を身近に感じざるを得ない状況が、そこにはあるようです。

質問2.『共和国』って何?

はい。これもわかったようなつもりでいながら、説明を求められると困りました。『共和国』は王を置かない国の事で、国民によって選ばれた大統領や首相が国のトップとなります。逆に王などを置いている国を『君主国』と言います。

アメリカの政党では共和党と民主党がよく取り上げられるため、共和制の対義語として民主制と思われがちですが、実は『共和制』の対義語は本来『君主制』だそうです。

ちなみに日本の場合はどうなんでしょうね?実質政治や経済の実験を握るのは内閣総理大臣であり、天皇は『象徴』という存在ですが、海外から見た場合、きっと天皇陛下は日本のトップというイメージなんでしょうね。実際天皇陛下も『日本の顔』として海外へ御公務に出られますし…と、このような『君主』は実際居るんだけど、実際の権力は議会が持っている国の体制を『立憲君主制』と呼ぶそうですね。

質問3.『合衆国』って何?

はい。唯一その場でまともな回答ができた質問だったように思います(笑)

これは娘には「皆の衆(州)が合わさって出来た国なんだよー。」って説明しました。元々色んな州や国が統合されて出来たものなので(笑)

英語で見てみても、アメリカ合衆国は『United States of America』って事で、States=州 が United=統合された  って事なんで間違いないだろうって事でね。

漢字のあて字ってわかりやすいですね(笑)

質問4.ロシアはなぜウクライナを攻撃するの?

これは私ごときに真理は伝えられませんが、以前学んだ『地政学』的観点で言えば、ロシアが南方への進出を目指すにあたって重要なルートが『黒海ルート』で、そのルートをより有効かつ手軽に使えるためには、ウクライナが自国の領土になる事が相当ロシアにとって有利になるからだろう。と私は思っています。

ちなみにロシアが南進するために使うルートはこの5つだそうです。

ロシアの地政学1(海外への5つのルートを確保) - 慶喜

NATOがどうだとか、旧ソ連時代がどうだとか、色々あるのかもしれませんが、私的には色々な要素を理由にして単純に自国の世界に置ける影響力を最大限に高めるための征服行為でしかないと思います。

それをできる限り小学四年生に向けての日本語を意識して説明してみると…娘はこう言いました。

質問5.「じゃあロシアの上(北)の海(北極海)使えばいいやん。」

そう。仰る通り(笑)まさに先ほどの図の話になります。

「でももし南に行きたいなら、北極海を使うと相当遠回りになるよね。それに黒海を有効に使おうと思ったら、ウクライナは自分のものになった方が都合がいいからね。それに北極海は氷がいっぱいで簡単には通れないんだよね。」みたいな感じで、これも小学生に伝わるように説明したつもりです。小学生にわかる日本語で伝えるって、本当にこちらの表現力を高めてくれます。

その時にも娘は「氷割って進めばいいやん!」と言っていましたが、「そんな簡単に割れるような氷じゃなくて、逆に船の方が割れちゃうよ(笑)」と説明。氷を割って突き進む『砕氷船』や、『耐氷船』というものもあるようですが、かなり高額なようですね。

ちなみに北極海は昔は氷ってて船で通れなかったけど、最近は地球温暖化の影響もあってか、ルートの一つとして考えられ始めたようですね。日本が北極海ルートを使うと考えると、船が高かったり、補給基地が少ないといったデメリットもあるけど、ヨーロッパまでの距離がかなり近くなったり、海賊が少なかったりというメリットもあるようです。

私たち人間の生活が原因の一つと言われている『地球温暖化』を、人間である私たちが逆手にとって利用することを考えるようになるとは…何とも皮肉というか…はい。話が逸れました。

質問6.日本の上(北)の所は使えないの?

はい。これは『シベリア・ウラジオストクルート』の事ですね。これもやはり北極海ルートの時と考え方は同じで、もしロシアが中東やアフリカといった南方向に進出したいとなるとかなり遠回りになりますよね。上記の図など見ずとも、単純に世界地図を見ているだけでこのように考えることが出来るのは凄いなぁ。と、ただただ娘の『想像力』に圧倒される私です。(笑)

質問7.バルト三国とは仲良いの?

はい。これは全然直ぐに答えられなかったですねぇ…こっちが教えて欲しいくらい(笑)

でも色々調べてみるとですね…バルト三国はその昔、それぞれ別々の歴史を歩んでいましたが、地理的にドイツとロシアに挟まれているという環境もあって、いつもその両隣の国からの侵略を受ける対象として大変苦労したそうです。そして第二次世界大戦前にナチス・ドイツが旧ソ連と交わした『独ソ不可侵条約』により、知らない間に勝手に旧ソ連のものにされるという意味不明な状態にさらされました…。

さて、そんな悲劇の歴史を持つバルト三国はロシアの味方になるでしょうか?と問われれば

「なるわけねぇだろ!!」…ってなりますよね。

最近さらにロシアに対して反対する立場を明確に示しているようですね。

最後に

相槌でその場を上手くやり過ごす能力は年々着いてくるのに、純粋な質問が閃いたり、その質問を正直にぶつけられる能力は加速度的に下がっている気がします。

今一度『それってなんで?』って気持ちを呼び起こしてみることも大切ですよね…私たちの凝り固まった頭ではそんな簡単なことじゃないかもしれないけど、子供心を思い出しながら、面白がってみる価値はあるんじゃないかな?なんて思います。

お風呂の暖かさと頭の回転が相まって、かなりのぼせてしまいました(笑)

素敵なお風呂タイムをくれた娘に感謝したいと思います。

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